先行指標と結果指標 ~財務指標の限界~ 1回/4回

どれだけ言い訳しても、倒産したら企業経営は失敗です。
経営の失敗は、数値の異常が限界に来たことを意味します。
ということで
4回にわたって、経営の数値に関連して書いてみたいと思います。
 
■会計資料の時間的なズレ
会計事務所の先生から試算表をいただくのが翌月か翌々月というのが多いと思います。
会計の数値は、企業経営にはとても大切なのは当然です。
 
・毎月の収益性がどうなっているのか?
・成長性はどうか?
・経費は適切に管理できたのか?
 
これらが、経営者のための情報としてフルに活用されることで、経営の羅針盤としての役割として期待されます。
 
しかし問題は。
 
試算表で出てくる数値は、「すでに終わってしまった過去の数値」だということです。
 
もちろん、試算表を時系列で並べれば傾向値がわかり、当月や次月の対策はできます。
ただ、「終わってしまった過去の実績」をタイムマシンに乗って遡って対策を打ち改善するということはできません。
ここに大きな問題を含んでいます。
 
「管理会計」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。
日々の販売データをリアルタイムで掴み、経費も同時に把握するといった類のものです。
当然、減価償却費や引当金などが計上されない、あるいは概算でしか計上できないため、数値の精度は低くなります。
 
しかし、税務会計の限界である時間的ズレを解消し、
「アバウトでもよいからリアルな[今]を知る」
そして、
「[今]の対策を打ち」
「今月の目標値に近づける」

ということが可能になります。
要するにアバウトでいいから「今」を知るコトです。

これにより、日々の企業内の活動に「緊張感」と「リアル感」が生まれ、風土が変化してきます。
 
「今を見る」
これは、財務的な数値だけではなく、環境変化が激変し続ける今の世の中ではかなり重要なポイントになると思います。
もちろん、ビジョンを持ち、その実現に向かって努力するのは当然ですし、必要不可欠な課題です。
ただ、日々を追求する基盤を持たないでビジョンを語るのは、ただの「夢物語」を語ることになってしまいます。
ビジョンは、また別の機会にもっと深く考えて書きたいとは思いますが、「将来に対する企業の挑戦的な目標」といわれます。
目標は達成に向かって進む指標です。
追いかける仕組みがなければ、ただの絵に描いた餅になります。
 
今を追求する仕組みをぜひ作っていただきたいものです。

* * *
 
次回はいつになるか分かりませんが、

■2:数値のメカニズム ~いろいろある数値の構造を考える~
■3:数値の性格 ~先行指標と結果指標~ BSCのロジック
■4:先行指標の開発 ~現場が日々追いかける指標を作る~

について書いてみようと考えています。

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コメント: 2
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