経営資源「人」?人を育てる

■経営資源「人」?

中小企業の経営資源ってなんでしょう?
理屈で言えば、経営資源って「人」「モノ」「金」。あるいはもっと拡張して「情報基盤」「ブランド」「技術」などまで経営資源っていう人もいます。
 
実は、このなかで「人」っていう経営資源。私は経営資源ではないと考えています。
それは、立ち位置というか見方の違いなのかもしれません。
 
「あなたは、わが社の大切な経営資源です!」
もし、会社の社長あるいは部長クラスに言われて、正直言って嬉しいですか?
 
生身の人間が。。。経営資源?
機械やお金と同等ですか?
冗談じゃないですよね。人を経営資源と見立てたら、それは下手すれば奴隷と同じ。
 
繰り返しますが、人は経営資源ではないと思います。特に資源の少ない中小企業では。
企業経営に置いて、「人」は企業を構成する「企業そのもの」です。
経営理論のような書物では、経営資源=人・モノ・金なんてごく普通に言われていますが、
 
同じ血の流れる人なのに、ある人は経営者、ある人は管理者、ある人は一般社員。
人を経営資源とする経営理論が単なる理屈なのは、「経営者」が経営するという立ち位置で考えるからいびつになるんだと思います。
経営をお金の視点で見ると、資金を「調達」して、それを適正に「運用」して、利益を生み出すことが企業経営の目指すところとなります。同様に、人の採用は「調達」に当ります。そして、その人を「運用して」高い収益を目指します。
理屈ではそうです。
 
でも、ちょっと待ってよ。。。
人間は、お金や機械と一緒かい?。。。
機械のように働くのかい?
 
勘弁してよ・・・ですよね。
たまたま、経営者のポジションでなくて、従業員の立場にいたからだけじゃないのかなあ。
 

■「人が育つ」とはどういうこと?

人が経営資源ではなく、企業を構成するそのものとしたら。
その人が、最高のパフォーマンスを発揮することが企業の成長には欠かせません。
それも、自発的に。
 
「人を育てる」or「人が育つ」。
人を育てることは、企業経営にとってとても大切だし、それができない会社は早かれ遅かれ消えてゆく運命にあるでしょう。
ここで問題となるのは、「人を育てる」と「人が育つ」が不明確なところだと感じています。
「人を育てる」って、主体は育てる人。本人ではないです。
「人が育つ」って。主体はありません。単に、状況を示しています。ただ、私は「人が[勝手に]育つこと」が企業成長のエンジンだと感じています。
 
【人が勝手に育つ】
要するに、勝手にスタッフが企業の共有の目標を実現するために必要な能力を付け、ほっといてもレベルアップする、という状況が目指す方向だと、勝手な視点で思っています。経営者も人の悩みが減りますよね。
 
で、そのためには何をしなければいけないのか?
明快な答えはありません。悲しいけど。
 
ただ、方向性はそういうことです。
 
これを実現するためには、どのようなことを考えなければいけないのか。
結局、育つ主体となる本人がその気にならなければならないという単純な話なんだと思います。
 
とすると、本人がその気になるにはどうしたら良いのか?
 
***
 
コンサル屋をやっていて、いつもこんな風に思いめぐらせて結局結論が出ずに、思考が詰まってしまうことがままあります。
こんな時は、やっぱり思考のお手本となる本に頼ってしまうんです。
で、例の楠木先生の最新刊「経営センスの論理」(別に広報部隊ではありませんので、あしからず)。
 
「人が何かに継続的に取り組めるとしたら、その理由は2つしかない。『意味がある』と『面白い』、このどちらか(もしくは両方)だ。」。
「面白がる力」という項目で明快に説明してもらってます。
 
簡単に言うと、人は「面白い」と思ってのめりこみ、そのカテゴリが「意味のあること」要するに仕事(あるいは業務)が一致すれば企業の求める人材としてはOKという話です。
そのために、どうするか?
「好きこそものの上手なれ」なんて、昔から言われていますが、好きなことに没頭していると、努力も惜しまないし、その結果自体にも自身が満足あるいは達成感を感じ、「じゃあ、もっと上」という気になります。
 
私は、趣味でギターのインストゥルメンツをやってますけど、くそ難しいのを何とか弾けるようになると満足感を得るとともに、まずいところや粗いところなどが見えてきて、次の課題がどんどん見えてきます。
これは、ただの趣味ですけど。
そういう仕掛けを人が育つ基盤として整備しているかどうかが、閉塞感のあるこの時代の人の育成に求められていると思います。
 
「面白いことやろうぜ」ただし「仕事の上で」と、ガンガン、リーダーシップをとって行ける経営者が必要なんでしょうね。
 
と、ここでまたコンサル屋の悪い癖。「リーダーシップ」と「マネジメント」はどう違うのか?なんて考え始めてしまいます。
これは、また改めて。

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