リストラ=首切り??

「うちの旦那、リストラに合っちゃったの」。
「わが社の収益性が悪化している。リストラして人件費を圧縮しよう!」
「日本は不景気が続いて、リストラの嵐が吹きまくっている・・・」
 
■[リストラ=首切り]
かなり多くの人が、ごく普通に使っています。見識のある(はずの)マスメディアにでさえ登場します。
 
はたして、
[リストラ=くびきり]なのでしょうか?
とっても悪いイメージで使われる「リストラ」とは、一体何なのかを見てみたいと思います。
 
リストラは「リストラクチャリング」を日本風短縮言葉で使われています。
「リストラクチャリング」とは、事業の再構築を意味していて、決して「首切り」ではありません。
 

■事業の再構築

「ライフサイクル」という言葉を知っていると思います。
人のライフサイクルは、出産によりこの世に誕生して、幼少時代、少年時代、青年時代、熟年時代・・・と進み、最後は死にいたるというのは誰でも知っていますし、理解しています。
 
同様に、企業あるいは一つの事業もライフサイクルを持っています。
商品のライフサイクルでは、開発期 ⇒ 導入期 ⇒ 市場浸透期(成長期) ⇒ 成熟期 ⇒ 衰退期というように進みます。
 
企業も同様です。
そして、何も対策を打たないといずれ成長が鈍化して、収益性が悪化し、最終的に赤字が続き倒産や廃業という結末になります。
 
しかし、企業は人間と違って、再成長のサイクルに乗せることが可能なんです。
 
成長が鈍化する大きな原因は、市場の要求とのズレです。
いいかえると、お客さんが求めているモノと提供しているモノが異なってくるということです。
 
誰でも知っている例に、「フィルムカメラ」の市場が「デジタルカメラ」市場にとって代わられたというのがあります。
世の中(市場)がデジタルを常識としているのに、フィルムの発色技術を高めても全くお客様は求めていなかった、みたいな話です。
フィルムメーカーは、フィルムカメラメーカーが存在することで事業は成立しますが、そこがデジタルカメラしか作らなくなったら市場は無くなってしまい、食べてゆけないというのは誰でもわかります。
 
事業の再構築は、企業が生きてゆくために現在の市場から需要の生まれる市場にシフトすることです。
「リストラ=首切り」と解釈されるのは、事業再構築の過程で「もう食べられない市場」向けにしか対応できない人材が重荷になることから、リストラクチャリングの結果として退職という現象が起こるという意味です。
 
もちろん、首切りはつらいことですが、市場が求めるモノやコトに対応するためにスキルを開発することを怠れば、ライフサイクルが必ずある企業や事業活動においては、どうしても避けられない現象となります。

* * *
「リストラ=事業の再構築」は、このように企業の生存をかけた積極的な取り組みという意味から、本来は明るいイメージのものだと思います。
 
自身の成長・進化を自ら確認できることは、前向きな人にとってはとてもうれしいことです。
 
ぜひ、自分のリストラクチャリングを続けて、明るく楽しく人生を送りましょう。

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