大学生だった35年くらい前、音楽サークルに入っていていました。
2回生までは、ブルーグラス(カントリーミュージックの一種)でフラットマンドリン。そして急転回で3回生から、当時カシオペアやスクウェア(現:Tスクウェア)、プリズム、スペースサーカスという学生出身のフュージョンバンド四天王が席巻する時代にのって、なぜか譜面も読めないのにフュージョンまがいのいい加減なバンドでエレクトリックベースに転向。
という具合で、フォークからカントリー、ジャズ&フュージョンからAORまで多種多様な音楽を楽しんできました。
でも、やはり当時の流れで就職してからは全く仕事一本で、音楽の「お」の字もない20数年。この仕事で独立して7~8年経ったころ、無茶な仕事のやり過ぎと少々ばかりアルコールが多かったためか、肺梗塞(エコノミークラス症候群)で吐血して死にかけました。
幸い命は失うところまで行かなかったのですが、「仕事だけに没頭していて本当に人生いいんだろうか」と自分探しを始めた頃、5歳ほど年下のギター1本で日本全国を旅しながら歌い、ギターソロを披露していたシンガーソングライター&フィンガーピッキングギタリストPETA氏に出会い、ピンと。。。
フィンガースタイル・ギターソロに。
《フィンガースタイル・ギターソロの魅力》
もともと学生時代にバンドをやっていたので、どうしてもいろいろな楽器が折り重なる音楽がやりたいなあ、というのは本音なのですが、そんな仲間を集めるのもしんどいし、息抜きにちょっとというわけにはいきません。
フィンガースタイルギタリストの演奏を聴くと分かりますが、リード楽器もベースもドラムも一緒に聞こえる錯覚に陥ります。
もちろん、もの凄いテクニックや感性・リズム感をトレーニングして演奏しているのですが、メロディ、リズム、ハーモニーという音楽の3要素を一人で表現できます。(もちろん、相当のテクニックがあっての話ですが)
中年、そして老後まで一人で楽しめる音楽ってこれだなあって。
クラッシック音楽の世界では、「ギターは一人のオーケストラ」と言われています。
クラシックギターのようにとんでもないトレーニングを積み上げなければ弾きこなせない音楽では、中年の楽しみとは行きません。
でも、このアコースティックギターの世界では少しだけ努力すれば弾ける曲もたくさんあって、それでいて少しずつステップアップできる要素がたくさんあります。そして、少しだけいいギターを購入できたら、素敵な気持ちのいい音世界が一人の空間に生まれます。
仕事オンリーもよいですけど、こんな楽しめる音世界を中老年の方に楽しんでもらえたらと思うのですが。
岡崎倫典さん
好きな日本のギタリストはたくさんいます。
岸部眞明さん、小松原俊さん、住出勝則さん、小川倫生さん・・・
でも、職人のようなギタリストで自身の世界感を持っている岡崎倫典さんは大好きですね。
年齢的には自分よりも3つ位上だと思いますが、学生時代はハードロックをやっていたとのことで、やはりバンドをやってた人だなあというノリやビート感はアコギからスタートした人とは一線を画しています。
アントウァン・デュフール/Antoine Dufour
日本のギタリスト押尾コータロー氏も含めて、今は亡き革新的なギタリスト「マイケル・ヘッジス」のフォロワーは世界中にたくさんいますが、まだ30代前半のカナダのギタリスト・アントワン・デュフールは特別。
どこから音を出しているのか多彩な音をもの凄いテクニックで出しながらも、曲全体のドライブ感やエアー感をだすアントウァンはまだ30代という若さもあって、これから数10年このアコギの世界をリードしてゆくんだと思います。
モーリス手工ギターS130 SP
倒れた後、1本くらいまともなギターが欲しいなあと買ったものです。
「モーリス」というと、高校生時代にはいわゆる誰でも買える初歩向けのギターメーカーというイメージでしたが、これは横山さんと言うモーリスのルシアー(ギター制作家)が作ったシリーズで、普通の楽器屋ではほとんどおいていないギターでした。
シリアルナンバーは53番。小さな虫が飛んでいる姿がインレイで表現してあるスペシャルなものです。
横山氏は、今は横山ギターズとして独立され、素敵なギターをたくさん世に送り出しています。
ブリードラブ/アメリカンシリーズ
(マートル・ウッド)
モーリスS130では、いつもオープンチューニングにしているのですが、スタンダードチューニングの曲を弾くのにいちいちチューニングを戻すのが大変。
で、スタンダードチューニングで良く鳴るギターが欲しいなあって2年ほど前に購入。
ブリードラブは、アメリカのギターメーカーです。
アコースティックギターファンにはよく知られていて、ギターを歌わせるギタリストとしてはこの人しかないという「エド・ガーハード氏のメインギター」として知られています。
20万ちょっとくらいのリーズナブルな価格ですが、何とも言えないほどに音が広がっていくエアー感がとっても魅力的です。
20万円というとギターを弾き始めたばかりの人にはとても高く感じるとは思いますが、10年20年と弾き続けることを考えると持っていてもとても価値のあるギターだと思います。